ISO 20121改訂とパリ2024との関わり

ロンドン2012開催に際し、ISO 20121が発足して約10年が経つ現在、当規格の体系的見直しが国際舞台で、急速かつ順調に進んでいます。

この見直しの主な目的の一つが、パリ2024での改定後の規格の実施にあります。

今回、当規格改定委員会の委員長を務めるPositive Impact Events代表のFiona Pelham氏にISO20121改訂とパリ2024の関連性について、以下に質疑応答の形で見解を寄せてもらいました。

※質疑はPositive Impact Events日本事務局、回答はFiona Pelham氏。

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Q.

改定された「ISO20121」が「パリ2024」で実施された場合、どのような好影響が期待されますか? 

A.

改定されたISOの実施から多くの好影響が期待されます。パリ2024のようなイベントが改定後の規格を実施する事は、この規格が、イベントを計画し運用する上で信頼性の高いベストプラクティスの枠組みとして世界的に認識される機会となるでしょう。

「パリ2024」は、入札段階からレガシーと持続可能性をプロジェクトの中心に位置づけ、今日に至るまで戦略の枠組みを作り続けることのできる以下の様な具体的な取り組みを初期に実施しました。

• 「パリ2024社会憲章」では、2017年に労働組合および雇用者団体と署名を交わし、パリ2024が社会面でベンチマーク(基準点)を設定し、その実施を監視する方法について合意しました。

• カーボンニュートラルを達成するために、温室効果ガスの排出を半減させ、残留排出を相殺することによって、「パリ2024」での成果を「パリ協定」における目標に近づける事を決めました。

•「 オリンピック・パラリンピックウィーク (OPW)」 は、「フランス国立教育・青少年・スポーツ省」およびスポーツに関わる他の多くの団体、特に学校スポーツ連盟と協力して2017年に初めて組織され、就学前から卒業後までの若者の体育、身体活動、スポーツの重要性にスポットライトを当てる年次イベントを企画しました。

入札段階で実施された他の多くの取組みは、特に以下の様な事項において発展し、レガシーおよび持続可能性戦略の基礎を築きました。

• Muhammad Yunus教授とチームは、大会を組織する上で社会的・連帯的経済の立場を守っています。

•「 PLAY International」は、フランスと世界中の若者にオリンピック・パラリンピックの価値観を共有し、スポーツ参加を促進するための非政府組織です。

• 「WWFフランス」は、入札委員会と協力して大会の環境配慮戦略を策定しました。

Q.

また、懸念される悪影響はありますか?

A.

企業や組織が、この規格(ISO20121)は実施するには複雑すぎ、取得するにはコストがかかりすぎると考える可能性があります。

Positive Impact Eventsには多くのリソース、ツール、教育資料があり、その様な中小企業が、自分達に何がどのように出来るかを理解するのに役立ちます。

私たちは常に、組織が先ず、自分たちの働き方の中で改善できるものから始め、サプライチェーンが持続可能性戦略の一部になり、ステークホルダーの関与を生み出すための長期的な目標を設定することを奨励しています。

そして、企業が持続可能性に向けた好事例を創出のするために、ISO 20121やRace to Zero(国連UNFCCのカーボンニュートラルを目指すキャンペーン)が存在します。 

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